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障害を持つアメリカ人法の基礎 / Basics of the ADA

障害を持つアメリカ人法の基礎 / Basics of the ADA

障害を持つアメリカ人法(ADA)は1990年7月に成立しました。この法律は、1964年制定の公民権法が人種、性別、出身国、宗教による差別禁止をしていたのと同様に、障害を持つ人が米国社会に完全に参加できることを保証したものです。

ADAは、主要な生命機能の一つまたはそれ以上に著しい制限を持つ障害者を対象としています。

ADAの第1章は、私企業雇用主や州政府や地方自治体や雇用斡旋機関や労働組合が、求人手続き、従業員の採用や解雇や昇進、報酬、訓練、およびその他雇用条件及び従業員の特典に関して、有資格障害者を障害であることを理由に差別することを禁止しています。障害者の定義は次の通りです。

主要な生命機能の一つまたはそれ以上に著しい制限を課す肉体的または精神的障害を持つ者、かかる障害の記録のある者、またはかかる障害を持つと見なされる者。

障害を持つ有資格従業員または求人応募者とは、適切な設備があれば,あるいは適切な配備がなくても、職務に伴う本質的な機能を遂行できる障害者を指しています。適切な施設には、以下の各項が含まれますが、それらに限定されるわけではありません。

従業員によって使用される現存の施設を、障害者に利用しやすくする、または利用可能にすること。仕事の再編成、勤務スケジュールの調整、空席への採用、機器または装置の取得または改変、試験・訓練教材・方針の適切な調整または改変、資格のある朗読者または通訳者の提供。

事業者は、事業者の事業遂行に「不当な困難」を課さない限りにおいて、有資格従業員または有資格求人応募者の既知の障害に適した状態に施設を改造するよう要求されます。「不当な困難」とは、事業体の全体規模、事業体の財源、事業遂行の状態や構成の観点から見て、著しい困難または出費を伴う行為を指します。

事業者は、施設を改造するに当たり、事業内容の質や基準を低下させることは要求されておらず、また、個人的に使用する品目(補聴器や眼鏡など)を提供する義務はありません。

事業者は、面接の際に、応募者に対して障害の有無やその状況や重度を尋ねてはなりません。応募者には、特定の職務機能を遂行できる能力について尋ねることができます。医学的検査の結果を加味して採用を決定してもよいことになっていますが、それは、同様な職務に応募する者全員にも医学的検査を実施する必要がある場合に限られます。応募者に対する医学的検査は職務に関係があり、事業者の事業内容のニーズに即したものでなければなりません。

現在薬物を不法使用している従業員や応募者は、事業者がその使用を理由として行動する場合は、ADAに含まれないものとします。薬物の不法使用の有無を判定するための検査は、ADAで制限している医学的検査の範囲には含まれません。事業者は、薬物使用者又はアルコール中毒者である従業員を、その他の従業員に適用されるものと同様な雇用・職務遂行・行動に関する資格基準に従わせることができます。

ADAの第2条では、公共施設で行われるプログラムや活動やサービスにおいて、有資格障害者を差別することを禁止しています。これは、すべての州政府および地方自治体の各省庁や機関やその他の補助施設、および、州政府および地方自治体の特殊目的地域に適用されます。

ADAの第3条では、「公共施設」における「民間事業体」の営業場所で、障害者を差別することを禁止しています。第3条で規定される事業体には、銀行、レストラン、スーパーマーケット、ホテル、ショッピングセンター、個人所有のスポーツアリーナ、映画館、個人経営の保育所、学校および大学、会計事務所および保険事務所、弁護事務所や開業医、博物館、ヘルスクラブなどが含まれます。

出典:

アメリカ合衆国平等雇用推進委員会、アメリカ合衆国司法省